2019年9月12日(木)、はやぶさ2の衝突装置(インパクター)の開発製造を行った、
日本工機株式会社 白河製造所 技術企画室 藤垣雄一様をお招きし、岩手県立千厩高校にて
講演会を開催致しました。
当財団代表が、目にした新聞の記事に、はやぶさ2の衝突装置を手がけた会社の開発責任者
として藤垣様が紹介されており、福島県白河市にある白河製造所にご勤務されていることから、
ぜひ千厩の子供たちにお話をして頂けないかとご連絡させて頂いたことがきっかけで実現いた
しました。
当初は我々のベースキャンプである千厩国際倶楽部にて開催をと考えて企画を始めたのです
が、より多くの子供達にお話を聞いて頂きたいと、千厩高校ご了承を得て、教室にて進学コー
スの2-3年生170 名ほどが対象となる講演会の開催となりました。
はやぶさ2は、地球から約3億km 離れた小惑星「Ryugu」にクレーターをつくり、内部
からサンプルを採取して持ち帰り、その成分を分析することで、太陽系の誕生や生命誕生の秘
密の解明に迫る宇宙開発プロジェクトです。そして、Ryuguにクレーターをつくるために
使われたのが、藤垣様はじめ日本工機の皆さまが開発製造されたインパクターです。
藤垣様は、インパクターの製造を始めた経緯から、爆破作業の実際の様子をJAXAの指令
室で見学し、プロジェクトに関わる方々と一緒に嬉しさを共有出来たことなど、お話して下さ
いました。インパクターの技術的な説明も多くありましたが、それ以上に感動を共有させて頂
きました。
インパクターについては、ミッションを達成する為にJAXAから示された要求は、「出来る
だけ小さく軽い装置を使って、出来るだけ大きなクレーターを作る」でした。そして、201
0年にプロジェクトがスタートし、2014年12月の打ち上げまでに全てを完成させること
でした。
福島県白河に工場がある日本工機では、2011年3月11日の東日本大震災で大きなダメー
ジを受け、施設の復旧や物資の入手に困難な状況が続いたとのことですが、2014年12月
の打ち上げを延期することは出来ないので、関係者が一丸となってプロジェクトの遂行に努め
たそうです。
インパクターは円錐状のケースに衝突体(ライナ)が付けられたものですが、ケース内の爆
薬を爆発させることでライナが中空球体になって秒速2km のスピードで飛んでゆく仕組みです。
はやぶさ2はクレーターをつくりたい場所の上でインパクターを切り離すのですが、そのま
ま爆発をさせると、はやぶさ2が損傷する危険があるので、切り離しを行った後にその場所の
裏側まで移動をしたあとで爆発作業を行いました。インパクターが自立で目標上にとどまるこ
とが出来るのが40分、はやぶさ2が目標上から裏側まで移動するのに必要な時間は37分で、
インパクターを爆発させることができる時間はわすか3分間と限られていますが、見事に成功
してクレーターをつくることが出来ました。
はやぶさ2はクレーターをつくった20日後にサンプル採取にトライし、無事に採取に成功
したので、2020年末には地球(オーストラリア)にサンプルが届けられることとなります。
このサンプルが届けば、世界初の快挙となり、日本が世界をリードすることとなります。なん
と素晴らしいことでしょう!
64歳になった講師の藤垣様が、心から高校生に伝えたかった最後のまとめです。
「はやぶさ2」のミッションは全て科学の力によるものです。
科学はむずかしいものではありません。
なぜだろうという探求心を持ち続けることが大切です。私達も宇宙へあこがれ、情熱からプロ
ジェクトに参加しました。また,地震で被災しても、負けない気持ちとみんなのためにという強
い心で頑張りました。
未来はみなさんが担い手です。
宇宙開拓という想像でしかなかった未来を実現する時代がやってきます。
宇宙時代に向かって飛び出してください。
講演会の終了後に、参加した生徒から感想文が提出されたのですが、
一部をここに紹介いたします。